屋根塗装の時期が10年後というのは嘘?ベストシーズンを解説
住宅の中でも屋根は、紫外線や雨風による影響を受けやすい部分です。そのため、劣化が進みやすく、放置していると住居全体の寿命を縮める恐れがあります。長持ちさせるためには定期的な塗り替えが欠かせません。一般的には10年を目安に塗装した方が良いと言われていますが、必ずしもそうとは言い切れません。そこで今回は、屋根塗装の塗り替え時期について、くわしく解説していきます。
屋根塗装の塗り替え目安は10年?
一般的に、外壁塗装の塗り替えの目安は10年ほどと言われています。しかし、屋根塗装に関しては、たとえ同じ塗料を使用しても10年ももたない可能性があります。
なぜなら、屋根は常に紫外線や雨風による刺激を受けており、外壁よりも耐用年数が短いからです。外壁であれば10年の持つ塗料であっても、屋根の場合は6~8年ほどしかもたない可能性が高いでしょう。
そのため、屋根の塗り替えは、前回の塗装から8年ほどを目安に考えると良いでしょう。
屋根材の種類によって塗り替え時期は異なる
新築から初めて塗り替えを行う場合には、屋根材の種類によっておすすめの時期が異なります。具体的には、セメント瓦やガルバリウム鋼板であれば10年以上もちますが、トタンやスレート屋根の場合は7~8年ほどで塗り替えを行う必要があります。
なお、2回目以降の塗り替えについては、塗料の耐用年数によって塗り替え時期が異なります。基本的には、8年以上過ぎているのであれば、屋根塗装を検討しましょう。
また、傾斜のない陸屋根については、防水塗装を施さなければなりません。防水塗装の塗り替えは、8~13年ほどが目安です。
塗り替え時期を確かめる方法
屋根塗装の塗り替え時期は、屋根の劣化状況で判断することをおすすめします。なぜなら、周辺環境によって劣化具合は異なるからです。
地上から見て確認するほかに、実際に登って確認する方法もありますが、専門技術のない方がのぼると危険なので、気をつけましょう。地上から確認できない場合には、業者に調査を依頼すると良いでしょう。
塗り替えが必要となる劣化状況
屋根の塗り替えが必要となる劣化状況について解説します。
色褪せ
色褪せとは、当初の屋根の色に比べて、変色によってくすんだ状態のことを指します。スレートやトタン、ガルバリウム鋼板、アスファルトシングル、セメント瓦などのいずれのタイプの屋根でも発生する可能性があります。
また、色褪せは、塗膜が劣化し始めた証拠でもあります。ただし、あくまでも初期の段階なので、すぐに対処する必要はありません。
マイホームの屋根に色褪せの症状が見られる場合には、定期的に状況を確認して進行具合を把握することが大切です。
コケ・カビ
コケやカビは美観を損なうだけでなく、悪臭の発生にもつながります。見つけた場合には、なるべく早く対処したいものです。
とくに、粘土瓦やアスファルトシングルの屋根材に多く見受けられます。高圧洗浄で除去できることもありますが、洗浄しても落とせない場合には塗り替えを検討しましょう。
ひび割れ
屋根にひび割れが発生すると、雨漏りやサビが発生する危険性があります。とくに、スレートやセメント瓦、粘土瓦などで発生しやすいので、注意しましょう。
細かいひび割れでも室内に雨水が侵入する恐れがあります。住宅全体の寿命を縮めることもあるため、なるべく早めに補修や塗り替えを行うことをおすすめします。
塗膜の剥がれ
屋根の塗装が剥がれている場合は、塗り替えの目安です。経年劣化だけでなく、施工不良によっても起こりうる可能性があります。
塗膜の剥がれは、塗装を行う屋根であればどんな種類でも発生します。大きくはがれ落ちたまま放置していると外壁材が劣化してしまい、高額な補修費用がかかることもあるため、早めに対処するようにしましょう。
サビ
サビは、トタンやガルバリウム鋼板などの金属素材の屋根で多く見られる症状です。屋根の一部もしくは全体が腐食した状態を指します。
サビは一度発生すると、どんどん穴が広がってしまうので、なるべく早急に塗り替えを検討しましょう。
屋根材の破損
屋根材の破損とは、漆喰の劣化や瓦の破損などを指します。どんな種類の屋根でも起こりうる可能性があります。中でも、耐久性の低い金属屋根やスレート屋根においては、注意が必要です。
屋根が破損してしまうと塗装だけでは対処できないので、なるべく早く屋根材の補修もしくは交換を依頼しましょう。
塗り替えにおすすめの時期
屋根塗装の寿命を長持ちさせるためには、施工時期が大切です。なぜなら、気象条件の悪い状態で塗装を行うと、施工不良になりやすいからです。
具体的には、気候が比較的安定している春に塗り替えを行うことをおすすめします。ただし、寒冷地にある住宅の場合は、春だと気温が低いこともあるため夏の方が適していることもあります。
なお、梅雨や台風の多い時期については、計画通りに施工を進められない可能性が高いので、避けた方が良いでしょう。また、屋根塗装は気温が35度を超えると気泡が発生しやすいので、真夏の暑い日も望ましくありません。
塗料の性能を最大限に発揮するためには、塗装に適した時期を選ぶことが重要です。
屋根塗装の費用をなるべく抑えるためには?
屋根塗装の費用は40万円を超えることが多く、決して手頃なリフォームとは言えません。しかし、下記のポイントを押さえることで、費用負担を軽減できる可能性があります。
相見積もりを取る
屋根塗装を検討しているのであれば、相見積もりを取ることをおすすめします。1社だけに見積もりを依頼すると相場を確認することができないので、できるだけ複数の業者に相談しましょう。
相見積もりを取った際には「価格が相場からかけ離れていないか」「見積もり内容に具体性があるか」を確認するようにしましょう。とくに、あまりにも安すぎる業者には注意が必要です。
一見するとお得であるように感じますが、工事が始まってから追加料金を請求されたり、手抜き工事をされたりする可能性があります。本来行うべき工程を省いて塗装を行うと、施工不良が起こるリスクもあります。ほかの業者とあまり価格に差がない場合には、サービス内容で比較すると良いでしょう。
また、見積もりの中に「一式」という表記が多い業者にも気をつけましょう。一式という表記だと具体性がなく、本来不要な費用が含まれている可能性があります。塗装を行う面積や塗料の量など、詳細まで記載されている業者であれば信頼できます。
自社施工の業者を選ぶ
屋根塗装を行う業者の中には、営業のみ自社で行い、施工は下請け業者に丸投げしているところもあります。下請け会社に施工を任せている会社は、仲介手数料を見積もりに上乗せしているので、割高であることがほとんどです。
一方、自社施工の業者であればこのような経費がかからないので、適正価格で塗り替えを依頼することができます。すべての作業を自社のスタッフが行っているので、要望をきちんと現場に伝えてくれるでしょう。
自社施工かどうかは、各社のホームページを参考にして確認しましょう。とくに、職人の顔が見える業者であれば、安心して任せられます。
まとめ
今回は、屋根塗装の塗り替えの目安について解説しました。常に紫外線や雨風による刺激を受けている屋根は、外壁よりも寿命が短いことがほとんどです。目安としては、前回の塗り替えから8年を過ぎている場合には検討すると良いでしょう。ただし、年数は8年を満たない場合でも、劣化状況によっては早急な対処が求められることもあります。ひび割れや塗膜の剥がれ、サビなどの症状が見られる場合には、なるべく早めに塗り替えを依頼しましょう。また、塗り替えを依頼する際には、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。あまりにも相場からかけ離れた見積もりを出す業者には注意が必要です。本記事が参考になれば幸いです。